「弓矢とる人を護りの八幡山  誓いは深き石清水かな」

人皇第十四代の帝、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の時代、異国より数十万の大軍が日本に攻めて来た。その中に塵倫という翼を持った大悪鬼が黒雲に乗って攻めて来て、多くの人々を苦しめていた。官軍の中に立ち向かえる者がいなかったため、天皇は自ら高麻呂(たかまろ)をはじめとする兵を従へ、天の鹿児弓(あめのかごゆみ)、天の羽々矢(あまのはばや)の威徳を持って、この大悪鬼を退治するという物語である。