「八雲たつ出雲八重垣妻ごめに 八重垣作るその八重垣を」

御弟、素戔嗚尊の悪業により天照大御神が天の岩戸にお隠れになった。高天原を追われた素戔嗚尊は出雲の国斐の川にさしかかったところ、嘆き悲しむ老夫婦と奇稲田姫と出会う。理由を尋ねると、八岐の大蛇が毎年現れて既に七人の娘が攫われ、残ったこの奇稲田姫もやがてその大蛇に攫われてしまうと言う。一計を案じた素戔嗚尊は、毒酒を飲ませ酔ったところを退治する。そのとき、大蛇の尾から出た剣を「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」と名づけ、天照大御神に捧げ、奇稲田姫と結ばれるという物語である。