「いづくにも帰るさまのみ渡れはや 戻り橋とは人のいふらん」

平安時代中期、丹波の国大江山に酒呑童子という悪鬼が多くの手下を従えて立てこもり、都はもとより付近一帯の村里に出没し悪事の限りを尽くしていた。手下の茨木童子は姫に化けて夜な夜な京の都、戻り橋あたりに現れ、良民を悩ませていた。源頼光の四天王の一人、渡辺綱が命を受けて成敗に向かうが、茨木童子の妖術により命が危うくなる。そこへ石清水八幡の御神告によって坂田金時が加勢し、格闘の末、茨木童子は渡辺綱の名刀「髭切」で左の腕を切り取られ大江山へと逃げ帰るという物語である。